タリン

エストニアの首都タリンは、紀元前3500年頃に建設されたとされる古都ですが、ヨーロッパの中でも最も急激に近代化が進み、この数十年での変化が著しい町でもあります。人口40万人ほどの首都の町中には、まだ昔ながらの石造りの建物や曲がりくねった小路がたくさん残っていますが、高層ビルやナイトクラブ等でも少しずつ有名になってきました。

15世紀から16世紀にかけてのヨーロッパ中世時代は、タリンの黄金時代だったと言われるほど、当時の建築物や歴史は、現在のタリンにも多くの影響を残しています。一般の農家や郊外の納屋ですら、中世からそのまま残っているものも少なくありません。保存状態の良いこうした昔からの建築物や民芸品が評価され、タリンの旧市街はユネスコの世界遺産に登録されています。

タリン旧市街では、何世紀にもわたってこの町の中心として利用されてきた広場がまず目に入ることでしょう。夏にはたくさんのカフェがこの広場にもテーブルを出し、商売人やパフォーマーたちで賑わいます。冬には大きなクリスマスツリーが飾られ、またたくさんの人たちがこの場所に集まります。中世から続く伝統的な市場もここで開かれるなど、この広場はまさに中世からの古風な趣に満ちた空間なのです。

毎年開催される「旧市街祭り」というお祭りも、中世のこの町を偲ばせるものです。中世の騎士を模して戦ったり、射撃をしたり、エストニアの民俗音楽のコンサートや舞踊も披露されます。また、中世から伝わる料理や工芸品を、伝統衣装を身にまとった売り子から買うこともできます。このお祭りは旧市街だけでなく、タリンの町のあちこちで催されます。

聖オレフ教会は、1500年建設当時、世界で一番高い教会だったそうです。この荘厳なゴシック様式の教会は、鉄とガラスによる近代的な高層建築と対比して、タリンの町にちょっとした薄気味悪さと中世の趣を与えています。タリンを訪れたら、この不思議な香りの中を歩き回ってみてください。

タリンは、ヨーロッパの中でも有数の要塞を持つ町でした。1300年代には、3メートルもの厚さのある砦が築かれ、その多くが今日もまだ残っています。この砦には、侵入者を防ぐという目的のほかに、寒い冬には、このロマンチックな町を冷たい風から守る役割もあったそうです。中世に関心のある人なら、きっと誰でも、この昔ながらの小さな町が気に入ることでしょう。