チェコ

プラハは、いまやパリをも凌ぐ人気の町です。以前は少し偏狭で憂鬱なイメージがありましたが、動乱の歴史を経て、世界中から旅行者が訪れるようになり、「新しいプラハ」として活気に満ちています。鮮やかで美しいこの町の外見の下に秘められているのは、第二次世界大戦時のドイツ人支配や戦後のソ連共産主義、1993年のスロヴァキアとの分裂を体験したチェコの人々の、まるでダイヤのような心とパワーです。2004年には欧州連合への加盟を果たし、他のどの東欧諸国にも勝る勢いで経済活動を活発化させています。

プラハ観光が盛んになるにつれて、国籍不明ともいえる景色が増え国際化が進み、ヨーロッパ大陸のこのあたりではめったに見られないメトロポリタンな雰囲気を醸し出すようになりました。少し薄暗いこの町には、時代の特徴がはっきりと顕れ、若いエリートたちがボヘミア風(自由奔放な)ライフスタイルを実行するために群れ集う場所としてもメジャーになりました。この反乱軍的カウンターカルチャーは、ゴシック建築物や名高い絵のような場所の狭間にしっくりとおさまって、この町の景色の一部を成しています。

旧市街地とプラハ城をつなぐカレル橋は、ヴァルタヴァ川(モルダウ川)に架かる1400年に完成したヨーロッパ最古の石橋です。全長約500mの橋の上は、たくさんの旅行客と商売人で溢れています。カレル橋を渡った対岸の丘の上にはプラハ城があり、丘の上から見下ろすプラハの町並みは、どんな絵葉書よりも美しい景色で、一度訪れてみないわけにはいきません。かつて公開刑の執行場所だった広場も、今は似顔絵や手作りの民芸品を売る人たちやアーティストが集まる場所として、毎日賑わっています。暖かなランプが灯るカフェの軒下は、観光の合間の休憩にぴったりです。プラハの気さくな人々と素朴なロマンチックさは、見知らぬ土地の心細さを忘れさせてくれることでしょう。

プラハは、ヨーロッパやロシアの有名な作曲家や演奏家が好んで訪れた町でもあり、プラハ市内の大きな公園や橋では野外コンサートも開かれます。現代のミュージシャンたちも、ジャズ、ロック、テクノなどのジャンルを問わず、この町のクリエイティブな文化に惹かれて、ヨーロッパでツアーをする際には必ずと言っていいほどプラハに立ち寄ります。また、音楽だけなく、視覚的な芸術分野も成長していて、クラシックな絵画から大胆な現代アートにいたるまで、プラハにはたくさんの美術館やギャラリーがあります。ミステリアスな空気の漂うこの町は、訪れる人たちの感性を刺激し、新たな文化を産み出す場所でもあるのです。

芸術にはあまり興味のない人も、プラハは本当に歩いているだけで面白い発見のある町です。昔ながらの喫茶店や、世界レベルのショッピング。数日の滞在中、石畳に覆われた色とりどりの町を歩き回れば、ヨーロッパの文化を十分に感じられること間違いありません。